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新型コロナウイルスによりボストンマラソンが初の中止に!どんな大会なの?

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5月28日、ボストン・マラソンを主催する団体B.A.A(Boston Athletic Association:ボストン体育協会)は、2020年ボストン・マラソンの開催中止を発表しました。

ボストン・マラソンの開催中止は、1897年に大会が開催してから歴史上初めてのことです。

中止理由としてB.A.Aのトム・グリルク代表は、新型コロナウイルスから大会に携わる全員の健康を守ることが最優先であるためだと、説明しています。

そこで今回は、中止となってしまったボストン・マラソンの詳細や中止後の対応について紹介していきます。

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近代オリンピックに次ぐ、歴史ある大会

ボストン・マラソンはアメリカ合衆国マサチューセッツ州にあるボストンで、毎年4月の第3月曜日の愛国者の日(Patriots’ Day)に開催される世界6大マラソン大会※のひとつです。

大会としての歴史は古く、1897年より開催されています。この歴史の長さは近代オリンピックに次いで、2番目に古くから行われている歴史あるスポーツ大会です。

大会の応募資格は18歳以上で、各年代ごとに指定されたタイムよりも速い記録を持つランナーから参加資格を得ます。

そのため、参加者の平均タイムがその他のマラソン大会よりも抜きんでて速いことが特徴です。

また、この例外として、協賛団体やチャリティー団体、スポンサー、海外からの旅行ツアーなどの商業枠、地元ランニングクラブなどから参加資格を得ることができます。

優勝した際には賞金と特典として優勝した年から50年後の大会に招待され、レースに参加することが可能です。

2020年の大会日程は新型コロナウイルスの影響により、当初予定されていた4月20日から9月14日へと延期されていました。

しかし、新型コロナウイルスが収束せず、マラソン大会を実施開催することで感染拡大を引き起こすリスクがあることから、中止という発表がされています。

※世界6大マラソン:東京、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨークシティマラソンのことを指し、これらで構成されるシリーズをアボット・ワールドマラソンメジャーズ(AbbottWMM)と呼びます。



ボストン・マラソンには日本人も多く参加

ボストン・マラソンには日本人も多く出場しており、これまでに男子の部で8人、車椅子の部で2人の日本人ランナーが優勝しています。

・男子の部
1951年 田中茂樹
1953年 山田敬蔵
1955年 濱村秀雄
1965年 重松森雄
1966年 君原健二
1969年 采谷義秋
1981年・1987年 瀬古利彦 ※日本人参加者で唯一の複数回優勝
2018年 川内優輝

・女子の部
現在、日本人では優勝者なし
最高順位としては、1992年に出場した山本佳子選手の2位。

・車椅子の部
男子
2007年・2011年 副島正純
女子
2007年〜2011年 土田和歌子 ※5連覇

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ボストン・マラソン中止後の対応

・参加費

ボストン・マラソンの参加費は225ドル、日本円にすると約2万5000円です。

ですが、2020年の大会は中止となってしまったため、参加者には参加費が全額返金されることになっています。

また、来年度の参加資格も与えられるようです。この対応と対照的だったのが3月1日に開催された東京マラソンで、一般の部は中止し、エリートの部のみ開催されました。

さらに、参加費1万6200円の返金がなかったことも当時騒がれました。

・バーチャルイベントを実施

中止となってしまったボストン・マラソンですが、バーチャルでの実施を検討中とのこと。

バーチャル大会に参加した人は6時間以内に完走すると公式メダルやゼッケンなどの記念品が贈られる予定になっています。

なお、ボストン・マラソンでは過去に別の場所から大会に参加する形式をとったことがあり、2007年に宇宙飛行士のスニータ・ウィリアムズさんが国際宇宙ステーションからトレッドミル上で42.195キロ走破し、宇宙から大会へと参加しています。



まとめ

残念ながら新型コロナウイルスの影響により中止となってしまったボストン・マラソンですが、バーチャルでの大会実施を検討したりと、現代の状況に合わせた柔軟な対応が素晴らしいですね。

これからのスポーツイベントは今までとは異なる対応が必要となってくるため、今後行われる他のスポーツイベントにも注目です。