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日本で大ブームの「フィジーク」!プロ選手も続々登場

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世の中の健康意識が高まり、街中でランニングをしている人を多く見かけます。

「結果にコミットする」ダイエットが流行し、カッコイイ身体を手に入れようとフィットネスジム通いする人が増えました。

自分の理想の体型を目指してトレーニングする事を「ボディメイク」と言います。

ボディメイクを究極まで追求し、筋骨隆々のたくましい身体を競い合う競技「フィジーク」を知っていますか?

筋肉の大きさを競う「ボディビル」から派生して生まれた「フィジーク」は、サーフパンツ姿で肉体美を競い合います。

ここ数年で競技人口は爆発的に増加し、一大ブームを巻き起こしています。

今回はそんな「フィジーク」を知らない人のために、簡単にその魅力をお伝えします。

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「フィジーク」とは

フィジークは2010年代始め頃にアメリカで誕生しました。

非常に専門性の高いボディビルを、もう少し一般的な競技に生まれ変わらせたものです。

ボディビルは一つ一つの筋肉の大きさや形を競いますが、フィジークはプロポーションを重視します。

黒く日焼けした肌、広い肩幅、逆三角形の上半身、ボコボコと割れた腹筋。

夏の海にカッコよく映える体を競い合うのがフィジークです。

日本での競技は、身長ごとのクラスに分けられておこなわれます。

クラス毎に全選手を審査した後、10名ほどの上位選手を呼び出し、比較審査をおこないます。

立ち位置を何度も入れ替え、横並びにして比較します。

この比較審査が非常に盛り上がり、観客はお気に入り選手のゼッケンナンバーを呼び、応援します。

こうしてクラス毎に順位が決められていき、クラス別の優勝者が決定します。

最後にクラス別の優勝者だけが並び、その日の総合優勝者が決まります。

多くのフィジーク選手は、世界最高峰のボディビル大会「オリンピアラスベガス」を目指します。

この大会で優勝することで、フィジーク世界チャンピオンの称号を手に入れる事ができるのです。

このオリンピアを開催しているのが、ボディビル団体の「IFBB」

IFBBの本拠地は、フィットネスの本場とも言われるアメリカにあります。

IFBBにはプロリーグとアマチュアがあり、日本人のプロフィジーク選手はいませんでした。

契約等の様々な問題があり、日本人に門戸は開かれていませんでした。




SNSをきっかけに、日本で大ブームに

日本では2010年代中頃から、フィジーク大会が開催されるようになりました。

ちょうど「結果にコミットする」ジムが話題になっていた頃です。

今思えば、世の中の健康意識の高さと重なり、絶好のタイミングだったのかもしれません。

当時はまだ大会開催数もわずかでしたが、「カッコイイ身体が集まる大会」は徐々に話題になり始めていました。

出場していた選手が、大会動画や、自身のトレーニング姿をSNSにアップするようになります。

大人気YouTuberとして活躍する選手が出てくる様になり、認知度が一気にアップ。

出場選手数が増加、年間大会数も増え、日本全国でおこなわれるようになりました。

初心者でも出場できるように審査基準に独自性を持つ団体も誕生し、様々な大会が開催されるようになりました。

日本国内で大会開催数が多いのは、ボディビル団体の「JBBF」とフィジーク団体「NPCJ」の2団体です。

特にNPCJは出場選手が爆発的に増加しており、人気急上昇中です。

NPCJが主催する大会会場には、人気フィットネスブランドが多数出店し、一大イベントになっています。

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2018年ついに日本人プロ選手が誕生

フィジークの認知度が高まっている中、2017年更に人気を後押しするニュースが入ります。

日本のNPCJが、本場アメリカのボディビル団体IFBBと単独契約を結ぶというものでした。

この契約によって、IFBB主催のプロコンテストを日本で開催することが決定しました。

さらに、プロ資格を審査する大会を日本国内で開催することも同時に発表されました。

それまで、IFBBのプロ資格はアメリカ国内のみでしか取得できませんでしたが、この規約を一新。

NPCJが契約を結んだ事で、日本人にもプロになるチャンスが巡ってきました。

このニュースがあり、フィジーク界はさらに盛り上がり、選手のレベルは高くなっていきました。

そして2018年ついに日本人初のプロ選手が誕生

2020年現在で5人の日本人IFBBプロフィジーク選手が存在します。

昨年はオリンピアジャパンが開催され、世界のトップ選手が日本に来日

一流選手と共に大手スポンサー企業も上陸し、非常に大きな盛り上がりを見せていました。




まとめ

プロフィジーク選手ともなると、「映画のスクリーンから飛び出してきたようだ」という表現では不足するほどの肉体美です。

人間はこれほどまでに美しい体形になれるのかと驚かされます。

しかし本来フィジークは、それほどまでの肉体がないと出来ないという競技ではありません。

フィジークは裾野が広く、若者からシニアまで幅広い人達が参加できる競技なのです。

健康のために始めたトレーニングが、いつしかボディメイクに変わり、競技に参加する人たちはどんどん増えていくと思います。

現在最前線で活躍している選手たちを追いかける様に、新しいスター選手も誕生するでしょう。

テレビや雑誌でたくましい体のフィジーク選手を目にする機会も多くなると思います。

フィジーク選手の姿を、画像や映像で一目見てもらうだけで魅力が伝わるはずです。

これからどんどん発展するであろう「フィジーク」に注目してみてはいかがですか。