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スポーツニュース

【ラグビー】コロナ対策で接触プレーを削除した一時的なルール変更案を発表

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新型コロナウイルスの影響により試合の延期や大会の中止などを余儀なくされているスポーツ業界ですが、

最近は日本野球のプロリーグ開幕が決まったり、Jリーグの開幕日を検討されたりとスポーツの再開へと向けた動きがみられています。

そんな中、ラグビーの国際競技連盟であるワールドラグビーから新型コロナウイルス感染リスク防止のための一時的なルール変更が提案されました。

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60試合以上を分析して対策ルールを検討

ワールドラグビーが提案した変更ルールは、コーチやプレーヤー、マッチオフィシャル、医療従事者、法律専門家などで構成されるLRG競技規則レビューグループ(Law Review Group)が60試合以上を分析し、検討した内容となっています。

変更内容としては、スクラムやラック、モールなど多人数での接触機会が多いルールに対しての変更が主です。

また、感染リスク対策として試合前後の衛生措置やトレーニングでの対策措置に関しても提案されています。



変更された競技ルール

・スクラム

ラグビーで印象的なプレーのひとつがスクラムです。

試合が中断した際に再開するときに行われるセットプレーで、選手同士が3列に組み合わさり、相手チームと押し合いながらボールを奪い合います。

通常のルールであれば、スクラムが崩れてしまったり、ボールをどちらのチームも獲得できなかったりといった一定条件が発生したときには組み直すルールですが、今回のルール変更ではスクラムの組み直しを禁止にしています。

・ラック

スクラムと似たようなプレーではありますが、中断したときではなく継続している状態で行われるプレーがラックです。

地上にあるボールを敵と味方のそれぞれ1人以上が立ったままぶつかり合って、ボールを奪い合います。

ルールの変更点としてはラック内でのボールのプレー時間が5秒から3秒への短縮、ラックに参加するプレーヤー人数の制限などです。

・モール

昨年のラグビーワールドカップでの日本対南アフリカ戦で南アフリカのパワーをみせつけられたプレーを覚えていますでしょうか?

力を武器にボールを前方へと押し込んでいくプレーがモールです。定義としてはラックと類似しており、敵と味方のそれぞれ1人以上とボールを保持した選手の3人以上で行われます。

ラックと異なる点はラックが地上にあるボールを奪い合うの対して、モールはボールを保持したまま密集して動くの特徴です。

モールに関してもラックと同様に参加するプレーヤー人数の制限。また、モールへの参加は1回とするなどの変更が提案されています。

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プレー以外の感染予防対策

また今回の報告ではルール変更以外にも、感染リスク対策として衛生措置などの注意点が提案されています。

・衛生対策

衛生面での対策としては、試合前後での手と顔を洗うことを必須とし、ボールも試合前、試合中、試合後と定期的に洗うことを指示しています。

他にも前後半の間のハーフタイムでジャージやパンツ、ヘッドギアをできる限り変更することを求めているようです。

・感染対策

新型コロナウイルスは唾液などの飛沫で感染する可能性が高いことから、水筒や飲料水ボトルを各自専用のものを用意して、共用で使用しないこと。

また、試合中の唾を吐く行為や鼻をかむ行為を避けるようにとも提案しています。

・接触対策

接触機会を減らす対策としてはプレー中のミーティングや集まって勝利を祝うことを避け、

トレーニングなどでも対人ではなくマシーンを使用したトレーニングが好ましいとのことです。



まとめ

ワールドラグビーはこれらの対策ルールを適用することで、タイトファイブ(チームの前線選手で接触機会が多い)の濃厚接触が30パーセント以上、

ラックでのリスクは最大25パーセント、またモールでのリスクも最小50パーセントまで軽減することができると報告しています。

これらのルールに関しては絶対的に適応されるわけではなく、加盟協会または大会運営者が感染状況や政府の対策に基づき、今回のルールが必要と考えられた場合に適用可能ということです。

新型コロナウイルスの影響で以前と同じようにプレーすることが困難な状況となってしまいましたが、今回のルール変更案などのような対策をして、再開されることに期待を寄せます。