ヒロ
自身のスポーツ活動を通して感じた問題意識やスポーツ・健康に関する情報発信を行っています。 日頃は、教員をしつつスポーツ科学に関する研究を行っています。 スポーツや健康に関するライター依頼お持ちしております。 ご連絡は以下まで athport.hiro@gmail.com
スポーツ科学

使える筋肉と使えない筋肉って何が違うの?

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こんにちは!ヒロです!

皆さんは、こんな会話を聞いたことはありませんか?

A さん

ウエイトトレーニングばかりで鍛えたボディビルダーの体は実際のスポーツでは使えないよね~

同じ筋肉なのに使える筋肉使えない筋肉は存在するのでしょうか?

ウエイトトレーニングで作った筋肉は本当に使えない筋肉なのでしょうか?

今日は、この使える筋肉、使えない筋肉について考えていきたいと思います。

 

使える筋肉・使えない筋肉は存在するのか?

結論から言うと使える筋肉・使えない筋肉と言うものは存在しません。

例えば、トレーニングジムでウエイトトレーニングを行い、身につけた筋肉とスポーツを行うことによって付けた筋肉では、同じ筋肉量であれば筋力の強さは変わりません。

先行研究の結果からも、筋肉の横断面積が同じであるならば、ウエイトトレーニングでつけた筋肉であってもスポーツでつけた筋肉であっても筋肉それ自体は変わらないことが明らかとされています。

基本的に筋肉が発揮できる筋力は、筋横断面積に比例します。



 

ではなぜ、使える筋肉・使えない筋肉と言われるのか?

それは、筋肉をうまくコントロールできるかできないかの違いです。

先に述べましたが、同じ筋肉量であれば同じ筋力を発揮できます。

しかしながら、筋肉を動かすためには、脳から神経系をたどり、筋肉に命令を出すことによって運動が行われます。

筋肉量があっても、実践的な動きの中で筋肉の発揮のコントロールをできるように神経系を鍛えないと上手く筋肉を使うことができません。

本来100%の力をもつ筋肉も、なれない動きでは50%の力しか発揮できません。実践的な動きを何度も繰り返すことで、神経系が鍛えられて、100%の力を発揮できるようになっていきます。

つまり、使える筋肉・使えない筋肉とは、筋肉それ自体ではなく、その場面場面において、その筋肉が持つ筋力をどれだけ使いこなすことができるかなのです。



筋肉の持つ力を使える筋肉に変えていくためのトレーニング

トレーニングジムでウエイトトレーニングを行い筋肉を鍛え、それをいきなり実践の場で使おうとしても、筋肉をうまく使いこなすことは難しいです。

一番よい方法は、ウエイトトレーニングで筋肉をつけながら実践的な動きを取り入れて、筋肉をうまく操作できるようにしていくことです。

また、自分が行うスポーツの動きをするだけではなく、様々なスポーツの動きを取り入れてトレーニングを行うことによって、色々な場面に対応して操作できるようになります。

 

(トレーニング例)

スクワットなどのウエイトトレーニングで脚の筋肉をつける。

ウエイトトレーニングだけではなく、ラダーで様々な足の動かし方を素早く行うことによって、脚の神経系が発達して巧みさが向上する。

 

このように、ウエイトトレーニングのみや、ラダーのみで終わらないように、筋肉の向上、神経系の発達の両方のトレーニングを取り入れると効率よく使える筋肉を育成していくことができます。

 

まとめ

今回の記事では使える筋肉・使えない筋肉について記事を書いていきました。

①筋力は筋肉の横断面積に比例するため使える筋肉・使えない筋肉は存在しない。

②使える筋肉・使えない筋肉の違いは、筋肉それ自体の問題ではなく、筋肉をうまく使いこなせるかどうかの違いである。

③ウエイトトレーニングによる筋肉の向上と筋肉をうまく使いこなすための神経系発達のトレーニングを取り入れると効率よく使える筋肉を育成することができる。

 

トレーニングの組み合わせを考えて、自分の体をうまく使いこなしてスポーツなどでのパフォーマンスをあげていけるといいですね。

それでは!